ブルースハープのテクニック、ベンドをおぼえよう
おそらく聞いたこともあると思いますが、ブルースハープ(10ホールズ・ハーモニカ)を演奏する上でかかすことが出来ない必須テクニックが『ベンド』です。
ベンドは英語表記で「BEND」でして、
曲げる等の意味を持ちますが、ブルースハープにおいては音程を下げるテクニックの総称としてこのようにネーミングされています。
ベンドがなぜブルースハープにおいて必須テクニックなのか?については、ベンドを使用することで鳴らすことの出来る音が増えるから..と思っていただいてけっこうでしょう。
■通常の配列
■ベンドを取り入れた時の配列
ベンドのやり方については、
わかりやすく言うと「唇をすぼめて音を鳴らす」だけ。
なんだか簡単そうですが、これがまた意外に難しくベンドをマスターしなければ吹けない曲があったりするのでマスターしておく必要があるのです。
■ベンドがかけれる音
1~6番穴は吸音のみ
7~10番穴は吹音のみ
基本的にどの穴でもベンドをかけることが出来ますが、5番穴においては「ミ」「ファ」との間には半音の差しかないのでベンドをしたとしても半音は下がりません。7番穴においても同様です。
ベンドの種類
ドローベンド(吸音ベンド)
ベンドにはブローベンドとドローベンドの二種類の方法があります。
1番穴から6番穴まで吸って音を下げるベンドがドローベンド。これらの吸音ベンドは、やり方によって半音~1音まで下げることが可能です。
ベンドのやり方については口で説明するのは難しいですが、ヒントを以下のとおり。
・唇を細めて息が通りにくくして息を吸う
・ストローでジュースを吸う感覚で吸音する
・ハープのマウスピースが上に向くようハーモニカの角度を調節してみる
・舌を上に持ち上げて息を吸う(舌はハープに当てない)
・舌で穴をふさぐ感じで息を吸ってみる
通常の口の状態
口を相当すぼめた状態
ベンドを上手く鳴らすコツは、とにかく唇をすぼめて息を吸うこと。
抽象的な言い方になりますが、「音が変化して下がったかも?」と実感をもてたらひとまずはそれでOKだと思います。
■練習してみよう
矢印『↓』がベンド、『↑』が元に戻す。
ブローベンド(吹音ベンド)
ブローベンドは息を吹いて音を下げるベンドのこと。7番穴から10番穴まではドローベンドではなくブローベンドを使わないと音が下がってくれません。
ちなみに、一般的にはブローベンドはドローベンドよりも難易度が高いとされており、これは普通の息づかいだと圧をかけるのが難しいからでし。
唇を相当すぼめて強く吹きかけないとブローベンドは綺麗になってくれません。。
理屈の上では、7番から9番までは半音ベンドが、10番穴は半音ベンドもしくは1音ベンドまで鳴らせますが、これははっきりいって難しいですね..。
初心者の方は「なんとなく変化した?」くらいの感覚で先進めてった方が良いと思います。
■練習してみよう
ベンドの応用技「フェイク」について
フェイクはベンドの応用技ともいえるテクニックです。
具体的にどういうものかというと、
軽くベンドした状態から鳴らし始め、そこから通常の音程に戻す..といういたってシンプルなテクニックです。
口の形でいうと「ウ」の形から始まり「オ」の形で終わるようなイメージ。
フェイクとベンドの違いですが、フェイクは半音(もしくは1音)まで下げる意識はしなくてよいということでしょうか。
音程を「やや」下げた状態から音を鳴らし、本来の音程に戻す感覚で良いと思います。
フェイクは基本1番から6番までの穴を吸音して行いますが、やり方はドローベンドとほとんど同じです。
練習用楽譜ではフェイクからベンド、そして通常の音階に戻しています。音がスムーズに繋がるよう練習しましょう。
■練習してみよう
まとめ
以上、
ベンドのかけ方、鳴らし方の解説はひとまずここまで。
繰り返し述べますがベンドは音程を半音程度下げるテクニック。2番3番穴は最大で1音(全音)まで下げることができます。
※1音まで下げるにはかなりの熟練度が必要!
説明するとなんだか簡単そうに思えますが、ベンドはなかなか上手く鳴らせないという人もいるので、難易度については本当人それぞれといった具合でしょうか?
普段から口笛をよく拭いてる人なんかはわりかし簡単に出来てしまうかもしれません。
とにかく、ベンドが出来るようになるとブルースハープの演奏できる曲の幅が圧倒的に増えるようになります。
そうなると、俄然演奏が楽しくなるのであきらめずコツコツ練習してマスターしてください。
参考動画