ブルースハーピストの紹介
ブルースハープを語る上でぜひ聞いておきたいブルースハーピスト達の紹介です。
Little Walter
ウォルターは1930年に米国ルイジアナ州で生まれました。ウォルターはアンプリファイド奏法といわれるギターアンプを使って音を鳴らすという独特の奏法を世に広めた第一人者です。また、シカゴブルース界ではサニー・ボーイ・ウィリアムソン2世と並んで語られることが多いです。
経歴では1940年代中ごろにマディウォーターズに参加した後、1952年に自身のインスト曲「Juke」がR&Bチャートで1位を獲得しました。この大ヒットをきっかけに一躍ブルースハープヒーローとなり、その後もローリングストーンズと共にツアーを回るなど全てが順調に見えましたが、アルコール依存症で健康面はけっして良好とはいえず、1968年にシカゴのクラブで喧嘩した後、その傷が原因で37歳という若さで他界することになりました。
パワフルなサウンドが持ち味の彼だが私生活はあまりにも刹那的だったかもしれません。
Big Walter Horton
ビッグ・ウォルター・ホートンもリトル・ウォルターと同様にシカゴブルース界で絶大な影響力を持つブルースハープ奏者です。
ビッグ・ウォルター・ホートンは1917年にミシシッピー州ホーンレークで生まれました。
10歳かそこらの子供時代からジャグバンドに参加するなどミュージシャンとして経歴は非常に長いですが、彼自身の半生は他者をサポートするヘルプマンとしてキャリアを費やしてました。そのため彼のサウンドは「我」の強い音ではなく、バンドとの調和を意識した表現が多いように思えます。
派手な名声こそ少なかったかもしれないが歴史に残るブルースマンであることは確実にいえます。
Sonny Boy Williamson
サニーボーイ・ウィリアムソンことジョン・リー・ウィリアムソン。サニーボーイ・ウィリアムソンを名乗るものは数人いるが、彼はオリジナルです(つまり1世ということ)。世間一般ではサニーボーイ2世の方が有名というのが少し皮肉かもしれません。
サニーボーイ・ウィリアムソンは1916年テネシー州ジャクソンで誕生しました。
1930年代にシカゴに渡り数多くのレコーディングを世に残すものの、1948年に強盗によって殺害されてしまいました。『戦前派』に代表される歴史的なブルースハーピストです。
Jimmy Reed(ジミーリード)
ジミー・リードは1925年ミシシッピー州で生まれました。彼が活躍したのは1950年代なので時期的に言うと『戦後派』の人となります。
アルバートキングによる紹介で新興レーベルであるヴィージェイレコードでデビューして以来、計10枚のアルバムを世に出すことになりました。
ジミー・リードもR&Rに多大な影響を与えた人物で、プレスリーやストーンズ、ビートルズらの楽曲に彼のハープスタイル、シンガースタイルの影響が垣間みれます。私生活においては残念ながらアルコールに依存していたので健全とはいえませんでした。そして、1976年に50歳の若さで他界することになりました。
Charlie McCoy
お次は白人ハーピストの紹介です。名前はチャーリー・マッコイ。
1941年にウェストヴァージニア州のオークヒルで生まれました。白人ブルースハーピストといえば彼を抜きにして語ることは出来ないでしょう。
経歴的にはボブデュランやエルビスらの実力派のアーティストと競演したほか、彼自身の2枚目のアルバムはカントリーチャートでグラミー賞を受賞しています。
Billy Branch(ビリーブランチ)
シカゴ・ブルース界の若手ビリーブランチ。若手とはいっても1951年生まれなのでいい年といえばそうですが、ブルースでは50才くらいの人はまだまだ『若年扱い』される世界です。ブランチはイリノイ大学を卒業しているのでブルースマンとしては相当インテリといえます(戦前のブルースマンの多くは貧しい労働者だった)。
音楽経歴についてはグラミー賞にノミネートされるなど十分なものもあります。現在は自身のバンドを携えて数多くのフェスティバルに出場するなど精力的に活動を行っています。若手のハーピストを聞きたいという人はまず『Billy Branch』を聞いてみることをおススメします。
Sonny Terry
最後は紹介するのはサニー・テリー。サニー・テリーは1911年にノースキャロナイナ州のグリーンズボロで誕生しました。
10代の時に事故で『両目を失明』して以来、得意のハーモニカで生計をたてるようになりました。30代になるまで大道芸人として生活していたがブラインド・ボーイ・フラーと出会い、レコーディングに参加するなどアーティストとしての活動が目立ち始めました。1939年にはギタリスト、ブラウニー・マギーと出会いコンビを結成するにいたります。
コンビを結成してブルースを演奏するかたわら、50年代から始まるフォークブームに便乗しレコーディングアルバムを世に出すことになります。このコンビはサニー・テリーが1986年3月11日に亡くなるまで続いていました。
参考アルバム
ベスト・オブ・リトル・ウォルター+3 | |
Big Walter Horton w/ Carey Bell | |
Down & Out Blues | |
Anthology | |
Lonesome Whistle: a Tribute to Hank Williams |